チェンバロ・クラヴサンの響きと名人の音に魅せられ,数枚のブランデンブルグ協奏曲を聞いてきましたが,今回は,その締めくくりとして,パリ音楽院の楽器博物館所蔵のクラヴィコード,クラヴサン・チェンバロ,ピアノフォルテを,16世紀末から18世紀初頭にかけて作曲された曲を演奏し,録音したものです(エラート)。
(ジャケットの写真「クラヴィコード」)
このCDでは,16世紀末製クラヴィコード,1612年製チェンバロ,1677年製チェンバロ,1696年製のチェンバロ,1749年製のチェンバロ,1763年製スピネット,1761年製チェンバロ,1788年製ピアノフォルテが演奏されています。
クラヴィコード(ジャケットの写真)は,木製のケースに張り巡らされた鍵盤の先端についている金属の薄板が金属弦を打って振動させるのですが,か細い音しか出ない構造のようです。
力強い音を求めて,スピネット,ヴァージナル,クラヴサンなどの名称の,共鳴箱を持ち,金属弦をつま弾く仕組みの楽器が考案されたのでした。
更に新しい構造の楽器,つまり,ピアノとフォルテが簡単に表現できる鍵盤楽器が考案されるに至ったのです。ピアノフォルテは,チェンバロの弦を皮で覆ったハンマーの原型のようなもので打つようにしたものです。
このCDでは,クラヴィコードをゴードン・マレイ/ウィーン国立音楽大教授,チェンバロ・クラヴサンをパリ音楽院教授ローランス・ブーレイ,同ロベール・ヴェイロン₌ラクロワ,そしてピアノフォルテをロベール・ヴェイロン₌ラクロワがそれぞれ演奏しています。
私が知っている作曲家の曲では,バッハの「平均律クラヴィーア曲集第1巻第8曲」(チェンバロ),ラモーの「前奏曲,サラバンド」(チェンバロ),チマローザの「ソナタト短調」(ピアノフォルテ)が収録されています。
クラヴィコードは,ややくすんだ音色で弦を叩いている音,クラヴサン・チェンバロは,華やかで低音も意外にふくよかな響き,ピアノフォルテは前の二つに比べ少しくすんだ音で弦を叩いている音がします。
そして,各楽器によって響きが全く違って聞こえ,楽器の個性が際立っています。
これらの鍵盤楽器が改良されて現在のピアノに至ったのでしょうが,古楽器の魅力・存在価値を再認識しました。
16世紀から18世紀にかけて製作された鍵盤古楽器の響きの深さに魅了されました。
ブランデンブルグ協奏曲でロベール・ヴェイロン₌ラクロワの演奏に惹かれ,今回のCDを聞いてみましたが,古楽器の魅力に触れることができました。
2018年02月26日
2018年02月23日
クルト・レーデル/ブランデンブルグ協奏曲
来週はもう3月になります。3月の声を聞くというのに雪に囲まれています。
そのような中,最近,自宅では「ブランデンブルグ」づいています。
特に,5番のチェンバロ(ハープシコード,クラブサン)の長ーいソロにはまっています。
今日のブランデンブルク協奏曲は,懐かしいクルト・レーデル指揮ミュンヘン・プロ・アルテ室内管弦楽団の古い録音です(エラート)。
クルト・レーデルのフルートと指揮,ラインホルト・バルヒェット(ヴァイオリン),ピエール・ピエルロ(オーボエ),モーリス・アンドレ(トランペット),ロベール・ヴェイロン₌ラクロワ(クラブサン)及び室内管弦楽団
5番の第1楽章アレグロは,チェンバロあるいはハープシコード,クラブサンの長大なカデンツァで有名ですが,ソリストによってまったく別のように聞こえます。
しかし,いずれの演奏も,古い楽器を典雅に弾くというのではなく,決して音量の高くはない楽器で名人芸を発揮するのです。
クルト・レーデル盤は,クラブサン奏者ロベール・ヴェイロン⁼ラクロワの名前に惹かれて廃盤CDを購入したのですが,正解でした。
ロベール・ヴェイロン⁼ラクロワはフランスの人,演奏とともに教育にも力を注いだ人です。
彼の演奏は,男性的で,時として弾むように聞こえます。
長ーいカデンツァの渦の真っただ中にいるような気がします。
そのような中,最近,自宅では「ブランデンブルグ」づいています。
特に,5番のチェンバロ(ハープシコード,クラブサン)の長ーいソロにはまっています。
今日のブランデンブルク協奏曲は,懐かしいクルト・レーデル指揮ミュンヘン・プロ・アルテ室内管弦楽団の古い録音です(エラート)。
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5番の第1楽章アレグロは,チェンバロあるいはハープシコード,クラブサンの長大なカデンツァで有名ですが,ソリストによってまったく別のように聞こえます。
しかし,いずれの演奏も,古い楽器を典雅に弾くというのではなく,決して音量の高くはない楽器で名人芸を発揮するのです。
クルト・レーデル盤は,クラブサン奏者ロベール・ヴェイロン⁼ラクロワの名前に惹かれて廃盤CDを購入したのですが,正解でした。
ロベール・ヴェイロン⁼ラクロワはフランスの人,演奏とともに教育にも力を注いだ人です。
彼の演奏は,男性的で,時として弾むように聞こえます。
長ーいカデンツァの渦の真っただ中にいるような気がします。
2018年02月20日
カール・ベーム/エロイカ
青森市の積雪がまた80㎝を超え,寒い日が続いています。
昨日19日に山形に行ってきましたが,こちらも例年に比べ雪が多いようです。間もなく3月,黒い地面が待ち遠しい!
このような日は,暖かい部屋で音楽でも聴くのが一番です。
そこで今日は,カール・ベームのベートーヴェン交響曲全集から,第3番「英雄(エロイカ)」です。
カール・ベーム指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

私は,エロイカが大好きで,同じ曲のCDを10枚以上持っています。
フェレンツ・フリッチャイ,フルトヴェングラーのものは複数枚あり,エロイカの曲構成が大好きです。
カール・ベームの指揮はカチッとした骨太のイメージがありますが,エロイカでは,特に第4楽章は,青春を思い起こさせてくれるようなすがすがしさがあります。若者が草原を駆け抜ける姿が目に浮かびます。
このセットの中では,エロイカのほかでは第9が好みです。
ソプラノ(ギネス・ジョーンズ),メゾソプラノ(タチアナ・トロヤノス),テノール(ジェス・トーマス),バス(カール・リッダーブッシュ),往年の名歌手の声を聞くことができます。
昨日19日に山形に行ってきましたが,こちらも例年に比べ雪が多いようです。間もなく3月,黒い地面が待ち遠しい!
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そこで今日は,カール・ベームのベートーヴェン交響曲全集から,第3番「英雄(エロイカ)」です。
カール・ベーム指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

私は,エロイカが大好きで,同じ曲のCDを10枚以上持っています。
フェレンツ・フリッチャイ,フルトヴェングラーのものは複数枚あり,エロイカの曲構成が大好きです。
カール・ベームの指揮はカチッとした骨太のイメージがありますが,エロイカでは,特に第4楽章は,青春を思い起こさせてくれるようなすがすがしさがあります。若者が草原を駆け抜ける姿が目に浮かびます。
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