2018年05月07日

ベルリン・フィル/ヨーロッパ・コンサート2003

大型連休が終わりました。毎度のことながらUターンラッシュで,お出かけの方は大変だったようです。我が家のゴールデンウィークは,遠出することもなく,仕事から解放されて山歩きと音楽で終始しました。

そこで,聞いて視たものは,DVD「ベルリン・フィル/ヨーロッパ・コンサート2003」でした。
ベルリン・フィル2003年ヨーロッパ・コンサート.jpg


今回は,「ブーレーズ三昧」の番外編のようなものですが,2003年のベルリン・フィル・ヨーロッパコンサートのライヴです。
ブーレーズのライヴ映像とあれば見逃すわけにいきません。
「ブーレーズ三昧」にもベルリン・フィルを指揮した録音はありましたが,今日は,ベルリン・フィルとのポルトガル・リスボンの「ジェロニモス修道院」のコンサートです。

目玉は,これまでブーレーズの指揮では聞いたことのない,モーツァルトの作品を指揮することとソリストにリスボン出身のマリア・ジョアオ・ピリス(ピレシュ)を迎えることでしょう。
そして,完成に100年をかけた世界遺産「ジェロニモス修道院」の建築物そのものにも目を奪われます。

演奏されたのは,①ラヴェル「クープランの墓」,②モーツァルト「ピアノ協奏曲第20番」,③バルトーク「管弦楽のための協奏曲」,④アンコール,ドビュッシー「夜想曲」から「祭」。

モーツァルトを除けば,ブーレーズ三昧で聞いたものばかりですが,ライヴ映像とあればまた格別です。
かつて見た「春の祭典」を指揮したコンサートの姿と同じく,ブーレーズは指揮棒を持たず眼光鋭いものでした。

リスボンの至宝,マリア・ジョアオ・ピリスを迎える騒然とした聴衆の反応に驚かされます。
モーツァルト弾きとしても著名なピリスのモーツァルトピアノ協奏曲第20番は,第1楽章の長いカデンツァでは,ブーレーズが聞き入っていました。
この曲は,ベートーヴェンやブラームスも気に入っていたようで,二人のカデンツァも残されているようです。
コンサートでは,ベートーヴェンの作曲したカデンツァで演奏されたようです。
鳴りやまぬ拍手とスタンディングオベーションが修道院を包みます。

ラヴェル,バルトーク,ドビュッシーは,ブーレーズにとって十八番。ラヴェルの作品は,クリュイタンスの指揮したものも愛好していますが,ブーレーズの怜悧とも思える演奏も好みです。
これらの作曲家にストラヴィンスキーを加え,これからは,ブーレーズだけでいいかなと思っています。

このコンサートの演奏曲すべてが好きな曲ですが,バルトークが終わると,モーツァルトと同様,割れんばかりの拍手とスタンディングオベーション,指揮台からブーレーズが聴衆にアンコール曲を伝え,ドビュッシーが始まります。
曲が終わると,また,とどまることのない拍手とブラヴォーの嵐。

近年,音楽界には,マリア・ジョアオ・ピリス(ピレシュ)が演奏活動をやめるというニュースが駆け巡りましたが,今年,4月に来日公演を開いているようです。
細身の美女が故国でモーツァルトを弾きながら,時折,笑みを漏らしていました。


さあ,今日から,仕事が始まります。
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