前々回では,かつて幻の名盤と言われていた「モダン・アート」を取り上げましたが,こちらも人気の高い1枚です。
コンテンポラリー1957年1月19日録音(ロサンゼルス)
アート・ペッパーas,レッド・ガーランドp,ポール・チェンバースb,フィリー・ジョー・ジョーンズds
ザ・リズム・セクションと言えば,当時,マイルス・デイヴィスのグループのリズム・セクション3人をこう呼んでいるのですが,「アメリカ西部のペッパーと東部の3人とが午前中の打ち合わせの後,午後,すべてワンテイクで録り終えた」と,プロデューサーのレスター・ケーニッヒがライナーに記しています。
本盤のA面1曲目「ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ」で聞かせてくれます。ヘレン・メリル・ウィズ・クリフォード・ブラウンで有名なこの曲をアート・ペッパーならではのアルトサックスを吹きます。
アート・ペッパーのアルトサックスは,日本人に好まれる節(ふし)を持っていると私は感じています。
全編すべてペッパー節にあふれていますが,B面2曲目「ティン・ティン・デオ」はラテンのリズムでこのLPに一味加えています。
1957年,ステレオ録音です。このコンテンポラリー・レーベルも音が良い。