映画「ブルース・ブラザーズ」をご覧になった方は,立派な体躯と存在感のある姿をご覧になったでしょう。
今回のポートレート・イン・ジャズは,村上さんもその「ブルース・ブラザーズ」に言及しているキャブ・キャロウェイです。
私がキャブ・キャロウェイの姿を映像で見るのは初めてでした。
かつて,コッポラ監督の映画「コットン・クラブ」にデューク・エリントンやキャブ・キャロウェイの実名が出ていました(俳優が演じていた。)。ちなみに,この映画の主役のモデルは,文庫版のカバーに描かれている,コルネット奏者のビックス・バイダーベックと言われています。
1930年代のアメリカで,甲高く他にまねのできない熱唱に人気があったのですが,村上さんはブルース・ブラザーズでの彼を怪唱と言っています。
ガーシュインは,オペラ「ポーギーとベス」で,キャブ・キャロウェイをモデルにした「スポーティング・ライフ」というキャラクターを作り,キャブ・キャロウェイが出演したようです。
スウィングの時代,キャブは,自身のバックバンドを持ち絶大な人気を博していました。
たまたま,私の持っている,当時のビッグバンドのテーマ音楽を集めた「ビッグバンド・ヒットパレード」というCDに,キャブ・キャロウェイの歌う「St.James・Infirmary」が入っており,この曲こそポギーとベスのキャブ・キャロウェイが舞台で歌ったものでした。
スイングの時代のスターの歌声が,後年ディジタルで録音されていることに感慨深いものがあります。
このCDは,シンシナティ交響楽団に,レイ・ブラウン,ジェリー・マリガン,デイヴ・ブルーベック,ドク・セベリンセンなど多数のジャズプレイヤーが加わっています。

あの甲高い一種異様な声から,小柄なイメージを抱いていましたが,ブルース・ブラザーズで巨体ぶりを知りました。ブルースブラザーズ2000にはキャブの姿はありませんでした。亡くなった後の製作でしたね。
人気絶頂期のキャブ・キャロウェイ「ミニー・ザ・ミューチャー」で彼の熱唱をどうぞ!晩年の姿も見ることができます。
https://youtu.be/8mq4UT4VnbE