ホロヴィッツが残した録音を聞いていますが,今日は2回目,ラフマニノフのピアノ協奏曲3番です。
ホロヴィッツは作曲者のラフマニノフから,自作の作品を完全に理解していると評価されたそうです。
今日のディスクは,1978年1月8日ニューヨーク・カーネギーホールのライブ録音で,ホロヴィッツのアメリカデビュー50周年記念「ジュビリー・コンサート」のものです。
ユージン・オーマンディ指揮ニューヨーク・フィルハーモニックの絶妙な伴奏を得た名演です。

私は,この曲のCDでは,若きキーシンのピアノ,小澤指揮ボストンを好んでいますが,74歳のホロヴィッツは,最弱音のゆっくりした第1楽章が,あたかも若者のように軽やかに始まります。最終楽章では,ラフマニノフのリズミカルで豪快なコーダを迎えます。
超絶技巧と円熟,いとも簡単に弾き終えた感があります。
これを聞いたらキーシンはおとなしい。
オーマンディ指揮ニューヨーク・フィルハーモニックも名演です。
前々回に書いたミケランジェリは,ラフマニノフの2番は作曲者自身のもの,3番はホロヴィッツの名演があるから私は4番をやると言ったそうで,ピアノ協奏曲第4番の録音を残しています。