10月で終えるつもりでしたが,諸般の事情で2か月延長しました。
仕事仕舞いにあたって最近の仕事から,案外盲点となっている事柄を紹介します。
皆さん当たり前だという方もおられるかもしれませんが,さらりと受け流してください。
本年4月1日から,不動産登記の相続登記義務化が施行されました。
今年の相続事案です。
相続登記というと「遺産分割協議」の問題があります。
遺産分割協議というのは,法定相続人間で相続財産をどのように相続するのかを話し合うのですが,相続人の中に外国に住んでいる人がいると簡単にはいきません。
遺産分割協議書には実印を押印し,印鑑証明書を添付しなければいけません。
その際,外国に住んでいる相続人の印鑑証明書はどのようにすればよいでしょうか。

①在外公館で印鑑登録をし,印鑑証明書を交付してもらいます。
②印鑑証明書の代わりに遺産分割協議書の在外当時者が署名し,その署名が本人のものであることを領事に証明してもらいます(本人が領事と直接会わなければいけません)。
これらのことが事実上できない場合
例えば在外公館が遠くて,上記①②の取得が困難な場合,外国の公証人に本人確認してもらい,証明してもらう(この場合はその文書の翻訳文が必要です)。
その他の場合
外国に住んでいる相続人が何らかの都合で日本に帰国している場合は,国内の公証人に,遺産分割協議書等に本人が署名し,公証人に本人確認と署名が本人のものであることを証明してもらう。
外国の公証人でできるのですから,日本の公証人の証明が効力を有するのは当たり前です。
海外に居住する日本人が登記の当事者となることはそんなに珍しいことではありません。
しかし,本人の意思表示を証明することは簡単ではありません。
何か月か前,知人の娘さんの嫁ぎ先で,相続人の1人が韓国におられて,先に述べた領事の証明が必要になるかと考えていたところ,在大韓民国特命全権大使作成の印鑑証明書の画像がメールで送られてきて,あっけなく解決しました。
仕事をするのもあとわずか,そのあとは,いつどこに行くのも自由になります。
今からわくわくしています。